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掴む

今回は銃のグリッピングについて書いてみます。

グリッピングは、銃器を扱うことにおいて集弾率に影響する大切な要素です。

そして、

素早く抜き、
構えて、
狙い易く、
命中させ、
反動を制御し、
次弾に備えてのスムーズなサイティング微調整

以上の動作すべてに関わってきます。

私は、対象に向かって人差し指をさすように銃器を持つことが出来ればストレスがないと考えました。
つまり、対象に向かって軽く「指差した手の形」の中に、
銃を持たせた状態が理想に近い形のグリッピングになるということです。



この手の形は、物を「挟もう」または「掴もう」とする形に似ていることが分かります。

そのためには、
まずGRIP=グリップ=「握り」という言葉の固定概念を取り払わなければいけないと思います。
「握り」=鉄棒を握るなど自分の体重を支えるような動作に対してその言葉を用い、
「掴む」「挟む」=持ったモノを使用して動作を行う前提の言葉、というイメージを持つことが大切です。

例えば、
体の各部位に固定してある銃器を抜くとき「握って」から引き上げるのと、
「掴んで」から引き上げるのとでは、上半身の使用感(使い方)の相違点が分かります。
前者は首から肩にかけての筋肉の一部を使い、硬くて窮屈な感じ、
後者は全体の筋肉を使って柔らかい感じがします。
トリガーは「引く」のではなくて「絞る」ことにも効果があり、
または銃器を奪われそうになった時に次の動作に移れるポイントにもなりますね。

●まとめ・・・「握る」意識でグリッピングすると

・腕の一部(手の一部)、腕の延長したものとして使用できない。
・銃口とヒジが一直線にならず、狙いが外れやすくなります。
・銃との一体感も薄くなる(一体感とは銃口が指先になるような、指先の延長になるような感覚)
・ヒジが張りワキが開いてしまうなどの悪影響。

逆に「掴む」意識でグリッピングすると、上記の肯定になると考えます。



aesではこのような「つかみ・はさみ」を推奨しており、
一般家庭にあるような日常のモノを用いて練習出来る方法もレクチャーしております。


by HOSOKAWA

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[ 2010/01/25 00:00 ] レクチャー | TB(-) | CM(-)

イベント「五条維新」

昨年末、「五条維新vol.2」というイベントにトークゲストとして参加しました。

音楽ライブ、映画上映、餅つき大会、効き水コンテストなどが催され、
このイベントの最後を飾る《本音で話そう!「私が伝えたいこと」》
というトークショーのパネリストとして参加しました。
多種多様な業種で活躍されているパネリスト数名が、
「感謝する時はどんな時?」「幸せを感じる時とはどんな時?」など日頃皆さんがよく思うことをテーマに、
観客とも会話をしながら「それぞれの想い」を語り合うという座談会形式のトークショーでした。




私は、様々な業種の方々と交流することで見聞を深める目的もあり、
ミリタリーに固執することなくこのようなイベントにも積極的に参加しています。
今回参加したイベントでも色々と勉強になることが多くあり、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
お客さんのお話しや意見が直接聞ける形式は、心の収穫が多いので楽しいですね。

スタッフの皆様、参加されたパネリストの皆様、ご来場頂きましたお客様、
この場を借りて改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました。


by HOSOKAWA







[ 2010/01/15 00:00 ] 報告など | TB(-) | CM(-)

スナイパー エピソード2

1993年1月某日

内戦状態のソマリアにいた。
一か月前に隣国のジブチから緊急展開派遣されてきたのだ。

この日の任務は、我々の拠点であるオゥドール空港から
アメリカ海兵隊が駐屯しているバイドアまでの主要な国道の安全確保であった。
道に地雷を埋設した跡がないか、ピアノ線やワイヤーなどでの仕掛け爆弾などがないかを捜索し、
発見次第処理することが主な内容であった。
もちろん、現地の武装集団に遭遇すれば応戦し武装解除させることも含まれる。

朝早くから露営地では装甲車の暖機音が響いていた。
私が出発の準備をしているとシコ伍長がやってきた。

「Hosokawa、お前ロケット砲担当だったな。FRF2(スナイパーライフル)持つか?」

「はい!持ちます」私は間髪いれず答えた。

私のロケット砲は、4発の実弾ロケット弾と一緒に装甲車の中に収納されており、
手元にある武器は9mm弾のピストルだけだった。
ピストルだけでは心許ない感じがしていたので、シコ伍長の話は渡りに船だった。
先のジブチでの出来事(コーラ缶射撃)があってから、シコ伍長は私を狙撃手に仕立てようと躍起であった。

シコ伍長は単に長くてデカイモノを持ちたくないのか?
もう小隊のキモ(命)を握るスナイパーの位置にいないのだろうか?
で、そんな疑問を彼に投げかけてみた。

「オレは軍曹のサポートと地雷探知機で忙しい、
同じ中隊の幾人もの正規のスタージ(課程)を受けたスナイパーよりお前はセンスがある」

と、シコ伍長に言われた。

「ロケット砲手の私がスナイパーライフルを持って大丈夫ですかねぇ?交戦しても問題にはならないですか?」

と尋ねていたら、私の話が終わらないうちに彼は、

「軍曹! 軍曹!!」

と叫びながら駆け出し、イギール軍曹を探し当てチラチラわたしを見なが話しを始めた。
しばらくすると彼らは、中隊長のジュリアン大尉のいるにテントに入って行った。
数分後、戻ってきたシコ伍長は、

「他の小隊の手前もあるから、車が出たら銃を渡す」と言った。

シコ伍長とイギール軍曹が、この作戦の責任者であるジュリアン大尉に正式に許可を取ったのだ。
こうして私は、出発直前になってシコ伍長の思惑通り「にわか狙撃手」になることを許されてしまった。
小隊全員が装甲車の甲板上に乗り、装備や荷物をチェックし始めた。

「よし、いいぞ!!出せ!!」イギール軍曹が運転手に向かって叫ぶ。

ルノー製のエンジンが唸りを上げ装甲車がゆっくり進み始めた。
ゆっさゆっさ身体を揺らしながら先頭を走る隊長車の後に続く。

「敵が来たらお前が仕留めろ」

装甲車のエンジン音と排気音の中、シコ伍長はスナイパー用の装備一式を私に手渡した。
他の小隊にも、同じ形式・仕様のものが装備されているが、
砂埃で汚れた防塵カバーから長くてずっしりとした黒い物体を取り出してみると、
それは「特別に命中率が高く調整されたスナイパーライフル」のように感じた。

「もし自分がシコ伍長の立場だったら、自分のスナイパーライフルを他人に託すことが出来るだろうか?」

と思うと、様々な責任を手にした銃と同時に受けとった気がした。

手入れの行き届いたスナイパーライフルを膝元に乗せ、
しばらくその「重さ」とこれから起こるかもしれない戦闘の事を考えながら、
紅い砂塵の向こうで遠くの地平線がゆらゆらと揺れていた。


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昔の外人部隊の臨機応変さ、悪く言えば「いい加減さ」を表しているエピソードである。

「錬度が高いスナイパー」は、決して自分の銃を他人に貸したりしないし、
それを知る他の隊員は受けとろうともしないはずだからである。




〈写真解説〉
- 第6外人工兵連隊のパンフレットから抜粋 -
写真下段中央が私、一番右がイギール軍曹、一番左がシコ伍長 
上記エピソードの出発時に偶然撮影されたものだが、スナイパーライフルはまだシコ伍長の手元にある。

この数時間後に「あんな事態」が待ち受けているとは・・・・・・


by HOSOKAWA






[ 2010/01/03 20:00 ] 回想録 | TB(-) | CM(-)